大垣日大「満点」準V/センバツ

- 準優勝の大垣日大ナインは笑顔で記念写真に納まる
<センバツ高校野球:大垣日大5-6常葉学園菊川>◇3日◇決勝
胸晴れ、準優勝! 大垣日大(岐阜)が常葉学園菊川(静岡)との48年ぶりの東海勢同士の決勝で逆転負けし、岐阜勢67年ぶりの優勝を逃がした。守備力重視の希望枠出場校らしく準決勝までの4試合を1失策の堅守で勝ち上がったが、この日は3失策と守備が乱れた。それでも、試合後の涙はなし。阪口慶三監督(62)は愛知・東邦監督時代の89年春に続く2校目の優勝を逃がしたが「満点のゲーム」と、選手を称えた。
まさかのファンブルだった。8回裏、5-5の同点に追い付かれなお2死一塁の守備。二塁ゴロで3アウトのはずが、二塁手の平野真也(2年)がボールを弾いた。自身2つ目の失策で一、二塁。直後に次打者の逆転中前打が飛び出した。9回表の攻撃が無得点に終わり、優勝が幻となった。「高いバウンドでランナーが目に入った。落ち着いていたら取れた球だった。勝負を意識してしまったのかもしれない…」。平野は、静かに振り返った。
大垣日大快進撃の象徴の1人が平野だった。守備力重視で選ばれた希望枠のチームらしく、準決勝までの4試合でチーム失策はわずか「1」。平野は無失策を続けただけでなく、外野に抜けようという当たりを、何度も攻守で救ってきた。だが、この日は7回にも4失点目のきっかけになる1つ目の失策を犯していた。
それでも阪口監督は、笑顔で選手を称えた。「タイミングもあるだろうしエラーのことは一切責めない。エラーも思い出。守備はこのまま練習していけばうまくなる。選手は1戦ごとに成長して、今日は満点のゲームができました」。
この指揮官の笑顔こそ、大垣日大の快進撃の源だった。ピンチの時、チャンスの時…ベンチに阪口監督の笑顔があった。選手としては、笑い返すしかない。両手の人差し指をほおにあてる“笑え”のサインもあった。宿舎の食事会場で突然、両手を広げた飛行機ポーズで登場。練習帰りのバスではカラオケ大会も開催した。長渕剛の『とんぼ』を熱唱した4番大林は「先生がいつも笑顔で僕たちを迎えてくれるんで楽しくてしょうがなかった」と濃密な約2週間を振り返った。
敗れた選手たちに涙はなかった。主将の小林和稔外野手(3年)は「先生についてきて本当に良かった。楽しかった。夏まで1日1日練習を精いっぱいやって甘えをなくしていきたい」と話した。快進撃は守備の乱れという皮肉な形で止まったが、準優勝は大きな財産。大垣日大は夏に向け、再出発する。【桝井聡】
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