センバツ高校野球

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常葉菊川9回逆転で決勝初進出/センバツ

9回表常葉学園菊川無死二塁、浅原は左越え同点二塁打を放ち、大喜びのベンチを背に一塁をまわる(撮影・前岡正明)
9回表常葉学園菊川無死二塁、浅原は左越え同点二塁打を放ち、大喜びのベンチを背に一塁をまわる(撮影・前岡正明)

<センバツ高校野球:常葉学園菊川6-4熊本工>◇2日◇準決勝

 決勝は48年ぶりの東海対決となった。3年ぶり2度目の出場の新鋭・常葉学園菊川(静岡)は6-4で熊本工(熊本)に逆転勝ちし、初めて決勝へ進んだ。4-4の9回表1死三塁、2番町田友潤二塁手(2年)が勝ち越し打を放った。初出場の大垣日大(岐阜・希望枠)は5-4で帝京(東京)に競り勝った。エース森田貴之(3年)が158球7安打完投した。希望枠の決勝進出は初めてになる。

 スクイズなど頭になかった。9回表、4-4の同点に追いついて1死三塁。169センチの2番町田は初球のカーブを思い切りたたいた。打球は左中間に飛んだ。「投球練習でカーブが浮いていたので高めを狙っていた。強攻は選手も気に入っているし定着してます」。2番ながら新チーム結成後、バント練習は1度もなし。攻撃野球しか頭になかった。

 1回戦で仙台育英を破り創部24年目にして甲子園初勝利を飾ると、今治西、大阪桐蔭、熊本工と全国の強豪を次々に撃破した。4試合で犠打は投手が記録した1つだけ。1-3で迎えたこの日の熊本工戦の3回表、無死一、二塁でも町田は犠打ではなく打って出た。遊直併殺打だったが、3番長谷川が四球でつなぐと4番相馬が同点2点三塁打。いかなる場面でもスタイルは変わらない。作戦にぶれがないことが、選手の自信を生む。

 静岡県勢の優勝は78年の浜松商を最後に遠ざかっている。165センチの森下監督はその時の2番二塁手の主将で、小技を得意とする浜松商の象徴だった。「無死一、二塁から送りバントを決める難しさは誰よりも知っているつもり」と話す。

 その野球観が3年前のセンバツで変わった。済美、広陵など強豪校の甲子園練習を見て「飛距離が違う。これには勝てない」と衝撃を受けた。昨年8月に監督就任し、小技に頼らぬチームをつくり上げた。「ゴロはすべてゴー」を合言葉に、練習時間のほとんどを打撃と走塁に充てるようになった。試合後、同監督は「あの場面でバントはあり得ない。打った方が確率が高いんだから」と言った。

 本塁打こそないが、冬場の筋力トレーニングで鍛えた選手たちのスイングはパワフル。制球力ある左腕2枚を抱え、守備もすきはない。「一戦ごとにまとまって自信を持っています」と森下監督。V実績と決別し、新たな野球で頂点を狙う。【斎藤直樹】


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