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帝京、杉谷兄弟の活躍で4強/センバツ

帝京対広陵 1回表帝京2死満塁、杉谷翔は右越えに本塁打を放つ(撮影・中村誠慈)
帝京対広陵 1回表帝京2死満塁、杉谷翔は右越えに本塁打を放つ(撮影・中村誠慈)

<センバツ高校野球:帝京7-1広陵>◇1日◇準々決勝

 帝京(東京)が「ブラザーズ」の活躍で15年ぶりに4強進出を決めた。初回1死三塁から杉谷兄弟の弟拳士(けんし)内野手(2年)の犠飛で先制すると、なお2死満塁のチャンスで兄翔貴(しょうき)外野手(3年)がセンバツでは5年ぶりの満塁弾を放った。初回一挙6点を奪う猛攻で、広陵(広島)に7-1と圧勝した。2日、準決勝2試合が行われる。

 帝京の「アニキ」が見せた。初回、杉谷兄弟の弟拳士の先制犠飛、中村のソロ本塁打で2点リードし、なお2死満塁のチャンスだった。打席の兄翔貴が内角高めスライダーをジャストミート。今大会2試合で1失点の好投手、広陵・野村の高めの変化球を見逃さなかった。右翼席への公式戦初アーチが、序盤で主導権を握る満塁弾。夢見心地でダイヤモンドを1周する兄の口元は緩んでいた。

 「振り抜いたら、入っちゃったみたいな感じでビックリした。去年の夏の甲子園に出ていないので、やっと力を出せました」と晴れやかな表情で話した。昨夏の甲子園はアルプススタンドにいた。1歳下の弟が1年生ながら遊撃手として活躍している姿を、複雑な気持ちでメガホンを手に応援していた。「ものすごい悔しかった」。幼少のころから一緒に練習。食事も量を競い合いながら食べていた仲の良い兄弟が、昨夏は自宅での夕食もバラバラ、部屋も別で会話は一切なかった。

 高校野球は教育の一貫であることから、年功序列のようにチームに貢献した上級生を試合に出場させる高校も多い。だが、帝京は徹底した実力至上主義。学年に関係なく力のある選手がレギュラーになる厳しい世界で、精神的にも鍛えられる。

 苦境に立たされた兄を救ったのは、プロボクシング元日本フェザー級王者の父満さん(43)だった。「最後まであきらめないで腐るな」。幾多の挫折と栄光を味わった父の言葉を胸に努力した。課題だった逆方向への打撃を身につけて、今春背番号「9」をつかんだ。

 ベンチで兄を出迎えた弟は「ついにやったね」と声をかけた。これまでのわだかまりが一気に解けた兄も「これで普通に会話できます」と笑みがこぼれた。これで三沢(中日)を擁して優勝した92年以来のベスト4進出だ。センバツでは過去3回4強入りし、すべて決勝に進出。強力なデータを味方に、昨夏の早実に続いて東京勢2季連続の頂点を狙う。【鳥谷越直子】


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