大阪桐蔭無念、怪物の目に涙/センバツ

- 大阪桐蔭・中田は、泣きながら応援席にあいさつに向かう(撮影・中村誠慈)
<センバツ高校野球:大阪桐蔭1-2常葉学園菊川>◇3月31日◇準々決勝
怪物の目に涙…。大阪桐蔭(大阪)の74発男、中田翔投手(3年)が、常葉学園菊川(静岡)の左腕・田中健二朗(3年)の徹底した内角攻めに苦しみ、3打数無安打に終わった。投げては7回まで無失点の粘投も、制球が甘くなった終盤にタイムリーを浴びて1-2と逆転負けを喫した。常葉学園菊川は初の4強を決めた。
ゲームセットの瞬間、中田はベンチで大きく息を吸った。甲子園との別れを惜しむかのように、ほかのナインよりもわずかに遅く立ち上がった。「自分の投球でチームに迷惑をかけてしまった。自分の責任だと思う」。相手の校歌が流れる中、涙がこぼれた。2度の夏に続き、この春も悔し涙で怪物の挑戦は終わった。
再び4番投手で先発出場した。佐野日大との2回戦では2打席連続本塁打を放ったが、先発した日本文理との初戦は7回無失点も最速151キロの剛球は影を潜めた。「フォームを修正し、いい形で投げられる。打つ方も調子が上がっている。ここで負けるわけにはいかない」。3月30日には自らバリカンで頭を刈り、気合を入れた。
その思いが力みになったのか。常葉学園菊川の左腕田中の内角攻めに差し込まれ、簡単に打ち上げた。8回は高めの直球を強振したが、バットの先っぽに当たってフェンス手前で失速した。「内角攻めは予想通り。チャンスでヒット1本も打てなかった」。投げても終盤に制球が甘くなり、8、9回でタイムリーを2本浴びた。右ヒジ痛で十分に投げ込めなかったことが疲労となって表れた。
「チームのためにできることはもっとあった」。中学時代に所属した鯉城シニアでは上級生になると、メンバーが9人だけという時期もあった。中田が内野を守れば、送球が速すぎて一塁手が捕れない。マウンドに立てば、手加減して投げないと捕手が捕れない。恩師の国吉和夫事務局長(53)は「あのころの方がつらかったと思うよ」と言う。中田は大阪桐蔭に進学し、チーム全員で戦う喜びを知った。「本当に本音でこれしかない。チームが1番になること。甲子園で優勝したい」。だから、この日が来てほしくなかった。
「もう悔し涙は流したくない」。唇を結んだ。最後の夏に、流した涙をすべて喜びに変える。【田口真一郎】
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