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帝京12点圧勝も大田右親指流血/センバツ

<センバツ高校野球:帝京12-4市川>◇29日◇2回戦

 帝京(東京)がエース大田阿斗里投手(3年)のアクシデントで燃えた。29日の2回戦の市川(兵庫)戦の2回、大田が打席で右手親指に死球を受けて兵庫・尼崎市内の病院に直行。1回戦の小城(佐賀)戦で20三振を奪ったエースの離脱に打撃陣が発奮。10安打12得点の猛攻で圧勝し、優勝した92年以来5度目の8強進出を決めた。熊本工は千葉経大付を延長12回の末に6-3、初出場の室戸(高知)は4-1で宇部商(山口)を破り、ともに8強進出を決めた。

 帝京にアクシデントが襲った。エース大田の右手親指から血が流れた。2回無死一、二塁で打席に立った初球だった。バントの構えをした際、シュート回転したボールが右手に当たった。大田は「ツメがはがれるまではいかないけど、浮いている感じになった」。手袋の中は血まみれで、途中交代して尼崎市内の病院に直行した。

 1回戦で20奪三振の快投を演じたエースが離脱。試合前には「目標は完封」と口にしていたが突然、グラウンドを去った。1回は15球を投げ最速144キロをマーク。1安打1三振と上々の滑り出しの中でのアクシデントだった。診断結果は「右手親指打撲で全治2日」。エックス線検査の結果、幸い骨には異常はなかった。

 ベンチには動揺が走った。だが前田三夫監督(57)は円陣で「阿斗里(大田)のためにも頑張れ、とみんなに言い聞かせた」。大田欠場直後に適時打を放った本間弘士外野手(3年)は「もう阿斗里はダメだと思った。2回の攻撃で一気につぶしてやろうと」。中村晃主将(3年)も「ここで点を取らないときつい」と仲間に呼びかけた。

 負傷退場した大田に勝利を届けることをナイン全員で誓った。2回には4安打を集中し、7四死球で9得点の猛攻。試合開始2回で2ケタ得点は、71年の東邦以来だった。大田は9回に甲子園に戻り、最後の整列に並んだ。8強進出に「ありがとうって言いたい」と感謝した。

 準々決勝は中2日の4月1日。右手のツメは内出血の状態で、「痛みが引いたらまた投げる。次も先発するつもり」と決意を込めたが、登板は微妙だ。前田監督は「今後の状況を見て決めたい」と慎重だ。エースを欠くとなれば苦戦は必至だが、再びピンチをチャンスに変える。【前田祐輔】


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