中田連発74号!最強怪物誕生/センバツ

- 3回表1死一、二塁、中田は逆転の3点本塁打を放つ(撮影・前岡正明)
<センバツ高校野球:大阪桐蔭11-8佐野日大>◇28日◇2回戦
怪物が爆発した。大阪桐蔭の中田翔投手(3年)が28日の佐野日大(栃木)との2回戦に「4番右翼」で出場し、大会史上10人目の2打席連続本塁打を放った。3回には内角球に右腕をたたんで左翼席へ技ありの逆転1号3ラン。4回には左中間へ2号2ランをライナーで打ち込んだ。2打席連発は星稜松井以来で、甲子園3年連続本塁打はPL学園清原、桑田のKKコンビと並んで史上3人目の偉業だ。高校通算本塁打を74本にした中田のバットから目が離せなくなった。
甲子園が2本の打球に震えた。大会史にその名を刻む2打席連続アーチ。どよめきに包まれ、中田は控えめにこぶしを握った。「プロで活躍しているスゴい選手に並べたのは、うれしい」。甲子園で3年連続本塁打はPL学園清原(現オリックス)、桑田(現パイレーツ)のKKコンビ以来となる3人目。そして連発は過去、星稜松井(現ヤンキース)ら大会史上9人しかいない偉業だった。
紛れもなく、怪物伝説を継ぐ男だった。球場の空気が一変した。1点を先制された直後の3回表1死一、二塁。内角低めの直球を鮮やかにとらえた。高く舞い上がった打球は左翼席前列に飛び込む。「試合の雰囲気があっち(相手)に移ってはいけない。必死で取り戻そうと思った」。この1発で打線が目覚め、この回だけで6得点を挙げた。
続く4回だ。今度は真ん中の直球をジャストミートした。弾丸ライナーが左中間席に消えた。推定130メートルの2ランは貴重な追加点となった。大会初の3打席連発は逃したが、勝利を引き寄せるには十分の活躍だった。
報徳学園(兵庫)や成田(千葉)など好投手を擁した有力校が、初戦で姿を消した。「僕たちは絶対に浮かれない。チャレンジャーでいかないと、同じ目にあう」。初戦はエースで好投し、この日は4番で燃えていた。早実・斎藤に3三振を喫した昨夏の甲子園2回戦。常に冷静でいることの重要性を学んだ。
3回裏に右前打をファンブルし、痛恨の適時失策を犯した。ベンチに戻り、1学年下の右腕福島に声をかけた。「バットで取り戻すから心配するな」。4回には、言葉通りのアーチを放った。最終回にはリリーフ登板の那賀に「まだ3点余裕がある。自分の投球をしろ」とゲキを飛ばした。大黒柱として、チームが勝つために何をすべきか。とにかく周りがよく見えている。中田は「少しは成長できたかな」とはにかんだ。
高校通算本塁打を74本に伸ばした。怪物スラッガーが本領を発揮し、チームはさらに勢いが増す。「途中で負けているわけにはいかない。優勝だけを目標にがんばる」。チームを16年ぶりの8強に導いたが何の感慨もない。清原も松井も成し遂げられなかった春センバツの王者。怪物はその1点だけを見つめている。【田口真一郎】
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