執念の采配で広陵決勝/夏の甲子園

- 広陵対常葉学園菊川 常葉学園菊川を下し広陵・野村はガッツポーズ(撮影・藤尾明華)
<全国高校野球選手権:広陵4-3常葉学園菊川>◇21日◇準決勝
指揮官とナインはひとつにつながっていた。3点リードの8回表。先頭打者が出塁すると、広陵・中井哲之監督(45)に考えが芽生えた。「次の1点は必ず取りたい。三塁に行ったら、打者が誰であろうとスクイズだ」。盗塁と進塁打で1死三塁。体調不良も忘れて、ベンチの最前列に立った。打席には4番山下高久雅(3年)。カウント1-2からサインが出た。「人生で初めてだった。絶対に決めてやろうと思った」。投前に転がし、スコアボードに4点目が刻まれた。
7回の攻撃中に、山下はふと思った。「スクイズのサインはどうだったかな?」。ベンチ奥の中井監督の所に確認に走った。8回の場面を予感していたわけではないが、偶然にもその場面が巡ってきたのだ。
中井監督は20日の練習も参加せず、宿舎で静養。「迷惑かけてばっかりだ。監督のせいで負けたと言われんようにお願いします」。指揮官は冗談っぽくナインに頭を下げた。3回戦で熱中症の症状などで倒れてから「監督のために」が合言葉。エース野村は12安打を浴びながらも、毎回の12奪三振で4点リードを必死に守った。これで甲子園通算62勝で広島商に並んだ。春3度の優勝も、夏は過去2度準優勝。「絶対に優勝する」と野村は力強く宣言した。【田口真一郎】
[2007年8月22日9時18分 紙面から]
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