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佐藤最速155キロも敗退/夏の甲子園

仙台育英対智弁学園 敗れた仙台育英の佐藤由(左)は一丸翔に抱きつき号泣する(撮影・藤尾明華)
仙台育英対智弁学園 敗れた仙台育英の佐藤由(左)は一丸翔に抱きつき号泣する(撮影・藤尾明華)

<全国高校野球選手権:仙台育英2-5智弁学園>◇15日◇2回戦

 今秋ドラフトの目玉右腕、仙台育英(宮城)佐藤由規投手(3年)が155キロの「甲子園史上最速」を記録し敗れ去った。15日、全国高校野球選手権2回戦で智弁学園(奈良)相手に完投したが、5回に打者11人の攻撃で5失点。150キロ台の速球を連発し9奪三振ながら、2-5で涙をのんだ。試合後にはプロ入り希望を表明。仙台出身で地元志向の強い佐藤由と1巡目指名方針の楽天は“相思相愛”で、10月3日の高校生ドラフトの行方が注目される。

 佐藤由が甲子園表示史上最速となる155キロを置き土産に2回戦で散った。4回、2番稲森翔大三塁手(1年)に投じた5球目の速球だった。電光掲示板に155が表示された。横浜スカウトのスピードガンでは156キロをマークした。甲子園5万人大観衆のどよめきとともに、拍手に包まれた。それでも佐藤由は「表示は見たが夢中だったので、抑えることだけ考えていた」と投球に集中した。

 しかし続く5回、制球が甘くなったところを痛打された。2四死球と安打で1死満塁のピンチを招き、1番佐藤龍司(3年)に先制2点二塁打を浴びた。さらに相手の攻撃を抑えることができず、打者一巡の猛攻でまさかの5失点。崩れたのはこの1イニングだけで“魔の5回”となった。

 試合後は悔し涙をぬぐいながら、「将来はプロでやりたいか」の問いに「できれば…。上(プロ)で野球をする中で、ピンチの場面は訪れる。その時、甲子園での経験を生かしたい。世間を驚かせる投手になりたい」とプロ志望を表明。新たな目標を立てた。

 仙台市生まれで、高校入学の際もリトルリーグ時代の仲間が多くいる仙台育英を選んだ。佐藤由の地元意識は強く、楽天には「参考にしている」とあこがれている田中将大投手(18)がいる。高卒でも即戦力として1軍の先発ローテで活躍できる環境はプロ志望選手にはもってこい。そして地元ファンもスター候補の楽天入りを熱望する。

 すでに楽天は米田球団代表が今夏の宮城大会を視察するなど、今秋の高校生ドラフト1巡目で佐藤由を指名する方針。この日、野村監督も仙台市内のホテルでテレビ観戦。「プロでも150キロ出るやつはそんなにいないんだから、それだけですごいでしょ。それだけで十分だ。そりゃいくでしょ。くじ引きだな。中田(大阪桐蔭)よりあっちでいくでしょ」と堂々のラブコール。地元志向の佐藤由と楽天は“相思相愛”の関係と言えそうだ。

 鉄腕はまだ未完成でプロでも伸びしろがある。高校1年の秋、本格的に投手となった。球速は昨秋の147キロから9キロアップした。今春センバツ後には「もっと投球の幅を広げたい」とチェンジアップを練習した。まだまだ課題もある。5回の5失点は力んだのが原因で「気持ちだけが前にいって、バランスを崩した」と反省も忘れなかった。「勝って得るものもあったが、負けて得るものの方がたくさんあった」と強調した。楽天田中と佐藤由の将来球界を背負っていくであろう「マー君ヨシ君」コンビが誕生するか。注目の舞台は甲子園からドラフトへと移る。【塩谷正人】

[2007年8月16日9時49分 紙面から]

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