前橋商「大魔神」投打で活躍/夏の甲子園
<全国高校野球選手権:前橋商2-1浦和学院>◇14日◇2回戦
前橋商(群馬)が、エース佐々木和寛(3年)の決勝打&完投勝利で、浦和学院(埼玉)との関東隣県対決を制した。佐々木は80キロ台の“超遅球”カーブを有効に使い、8安打されても1失点、しゃく熱のマウンドで133球を投げきった。選手宣誓をした樺沢健主将(3年)も先制打を放った。
最後まで冷静だった。9回2死走者なしで、佐々木は高校通算58本塁打の主砲・赤坂和幸投手(3年)を打席に迎えた。「自信を持って投げた」というこん身の直球で右飛に仕留め、マウンドでガッツポーズして喜んだ。
佐々木は「いいバッターがそろっているので丁寧に投げた」。この日は130キロ中盤のストレートに、要所では80~90キロの遅いカーブがさえた。緩急で翻弄(ほんろう)し、力んだ浦学打線が次々にフライを打ち上げた。「相手が合っていなかったので多めに使いました」。普段はしない組み立てを大舞台でやってのけた。「大魔神」佐々木主浩氏と名前の読みが同じことに「素晴らしい投手と一緒でうれしい」と笑った。
フォークは投げないが2種類のカーブとスライダーにツーシームで133球を投げきった。打っても、同点で迎えた8回1死三塁のチャンスに決勝適時二塁打を放った。「カーブに絞っていました。思い切り振りました」と笑顔を見せた。
12日には同校OBで漫画家のあだち充氏が激励に訪れた。同氏は「タッチ」のイラスト入りの色紙にサインを書いて選手全員にプレゼントした。大会7日目で迎えた初戦。試合まで期間があったことから、温泉付きプールに行ったり、道頓堀でお好み焼きを食べ、リラックスした。宿舎近くにある大阪城が第2の練習場。夕食後に選手たちは自主的に練習を行った。佐々木はシャドーピッチングを繰り返し、闘志を高めてきた。
浦和学院とは「練習試合で4年前ぐらいにやって大敗した」という富岡潤一監督(41)は「勝つならこういう展開だと思っていた。1つ勝てたので、次はリラックスしてもっといい試合をしたい」。隣県対決を制した勢いを持って次戦に挑む。【久保賢吾】
[2007年8月15日8時49分 紙面から]
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