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文星芸大付佐藤が9K完封/夏の甲子園

市船橋打線を9奪三振で完封した文星芸大付・佐藤(撮影・梅根麻紀)
市船橋打線を9奪三振で完封した文星芸大付・佐藤(撮影・梅根麻紀)

<全国高校野球選手権:文星芸大付5-0市船橋>◇8日◇1回戦

 第89回全国高校野球選手権大会が8日、甲子園球場で開幕した。文星芸大付(栃木)は5-0で市船橋(千葉)に快勝。エース左腕、佐藤祥万(3年)が強打の市船橋打線から9三振を奪い、7安打シャットアウト劇で、関東ダービーを制した。

 激しく腕を振り下ろし、短髪があらわになる。9回2死、最後の打者を空振り三振に打ち取った佐藤は、ガッツポーズするより先に、マウンドに帽子が落ちていた。「帽子が飛ぶのは調子がいい証拠です」。直球は130キロ半ばながら、厳しく内角をつく。変化球を低めに集めて的を絞らせない。関東ダービーを9奪三振で制し、今大会完封一番乗りを決めた。

 仲間のミスをカバーするのがエースの仕事だ。5回、7回と味方失策で得点圏に走者を進められた。5回は併殺、7回は2者連続三振で切り抜ける。「よっしゃー」。気合の雄たけびを上げた。

 甲子園には苦い思い出がある。昨夏は2試合で10失点。先輩に迷惑を掛けたと号泣した。「最後の学年だし、自分がやらなければいけない」。高橋薫監督(51)は「スライダー、カーブ、シンカー、フォークと変化球を増やした。練習後もずっと1人で走っていた」と1年間の成長を認めた。

 9日に登場する大会NO・1投手、仙台育英・佐藤由規投手(3年)より先に「文星の佐藤」をアピールした。県大会では試合前の朝には必ず母玲子さん(46)手作りのお雑煮に「サトウの切り餅(もち)」を入れ食べていた。エースの意地なら“本家”に負けるつもりはない。今は合宿中だが、玲子さんは「暑くて疲れやすくなる」と出発前に梅干しを持たせた。

 佐藤は、日光東照宮に隣接する輪王寺で働く玲子さんから受け取ったお守りをポケットに忍ばせた。自宅から輪王寺まで往復約10キロの距離がランニングコース。観光名所に向かって、何度も走り下半身を鍛えた。「やっと自分のピッチングができた」と手応え十分のスタートを切った。【前田祐輔】

[2007年8月9日9時6分 紙面から]

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