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中田夏3連覇の夢消えた/大阪大会

金光大阪対大阪桐蔭 金光大阪に敗れグラウンド上で号泣する大阪桐蔭の中田(撮影・田崎高広)
金光大阪対大阪桐蔭 金光大阪に敗れグラウンド上で号泣する大阪桐蔭の中田(撮影・田崎高広)

<高校野球大阪大会>◇30日◇決勝

 さらば、怪物-。大阪桐蔭の中田翔投手(3年)が最後の夏に甲子園に帰れなかった。大阪大会決勝の金光大阪戦に「4番、投手」で先発出場。初回にいきなり3点を先制された。打でもライバル左腕の植松優友(3年)の前に5打数無安打。高校通算87本塁打の実力を発揮できず、あと1歩で夏3連覇を逃した。

 三塁ベンチで中田が泣いた。まだ試合は終わっていない。それでも涙がこみ上げてくる。最終回に仲間が執念で1点差にまで迫った。5打数無安打の悔しさもある。そして甲子園への強烈な思い。最後の夏は笑って終わると誓ったが、約束は守れなかった。

 「次につなげられなかったのが悔しかった。どうしても甲子園に行きたかった。これが最後なんて、分からなかった」。ゲームセットの瞬間、グラウンドに崩れ落ちた。あと1勝、あと1点。夏3年連続の夢は目前で消えた。

 2年前の春。中田はほかの同級生よりも1週間早く寮に入った。「いっちょ、やったろうや」。まだ友人のいない寂しい夜に、夢中でバットを振っていた。「あのときは早くメンバーに入ることしか考えてなかった」。中学時代から逸材と騒がれ、鼻っ柱の強い少年だった。「自分が抑えたらいい。そんな選手だった。でも高校で、そんな気持ちはなくなった。一緒に野球ができなくなるのは寂しい」。本音がこぼれた。

 6月半ばに、中田は右の股関節を痛めていた。西谷浩一監督(37)は「試合に出て、いい状態ではない」と認めていた。多くのファンやマスコミが怪物の本塁打を見ようと詰め掛ける。「体は大丈夫」。中田はそう答え、試合にフルイニングで出続けた。

 しかし股関節はプレーするのに、重要な個所。軸となる右足に体重が乗らない。十分に球を引き付けられず、打撃不振の要因となった。

 ついにアーチは見られなかった。先発マウンドでも初回にまさかの3失点。中指に続き、人さし指の爪もヒビ割れていた。それでも言い訳しない。「力は出し切った。悔いはない。打てなくても助けてくれたメンバーに感謝している。みんなと一緒に野球をやって楽しかった」。

 敗れはしたが、高校通算87本塁打の実績は色あせることはない。注目の進路、胸の内は決まっている。「プロ野球に行きたい」。「すぐにメジャーに行くことは考えていない」とも話している。プロの世界で怪物伝説の続きを刻むことになる。それでも心残りはひとつ。怪物のいない甲子園はたまらなく寂しい。【田口真一郎】

[2007年7月31日9時42分 紙面から]

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