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出た!中田86号!高校最多タイ

練習試合の6回表1死、大阪桐蔭の中田は85号ソロ本塁打を放つ(撮影・渦原淳)
練習試合の6回表1死、大阪桐蔭の中田は85号ソロ本塁打を放つ(撮影・渦原淳)

 怪物がラストサマーの甲子園へエンジン全開! 大阪桐蔭・中田翔投手(3年)が高校記録とされる西武大島裕行外野手(埼玉栄)の通算86本塁打に並んだ。1日、大阪府大東市の同校グラウンドで初芝と練習試合を行い、2本のソロアーチを放った。最後の夏となる大阪大会を前に目標の数字をクリア。これで新記録達成は確実だ。中田がいよいよ高校NO・1スラッガーの称号を得る。

 怪物の上には、もう誰もいなくなった。高校入学から86本目のアーチはやはり特大だった。9回、先頭の打席でチェンジアップ気味の変化球を完ぺきにとらえた。左翼の高さ14メートルの防球ネットの最上部に直撃する豪快な1発。西武大島が持つ高校記録に並んだ瞬間だった。「うれしい。ここまで打てるとは思わなかった」。対戦相手のことを考え、無表情にダイヤモンドを回った。それでも興奮は抑えられない。裏口から一塁側ベンチを飛び出し、試合を観戦していた同僚にガッツポーズ。こそっと喜びに浸った。

 4戦連続の不発で足踏みが続いていた。練習試合でも報道陣が殺到し、凡打に倒れると、観客からため息がもれる。大人でもプレッシャーに耐えられない状況だが、中田の神経は動じなかった。「4試合出なくても焦らなかった。普通に当たれば結果は出る。(周りが)ホームランを期待してくれるのは、ありがたい。注目してもらって、力をもらった」。

 6回の4打席目で左中間に85号ソロを放つと、今年3度目のマルチ本塁打ですんなりと節目に到達。パワーだけではなく、重圧を自らの力に変えることができる精神力がある。それも怪物たるゆえんだ。

 数々のアーチの中でも思い出の1本は、甲子園でもなく、170メートル弾を放った和歌山・紀三井寺球場でもなかった。昨年6月25日、大阪桐蔭グラウンドで行った愛工大名電との練習試合だった。中日に入団した堂上直に注目が集まる中で、1試合2発をたたき込んだ。特に6回に放った38号は、左中間後方の林に突き刺さる驚異の一打になった。「芯(しん)でとらえてボールの感触が分からなかった。理想のライナーで、打球がどんどん上がっていった」。不発だった堂上直から主役の座を奪い、中田が「アーチスト」になった原点でもあった。

 残された練習試合は1試合。その後は、14日に四条畷北との大阪大会1回戦を戦う。高校新記録は確実の状況だが、「テレビ(の会見)で言っちゃったので目標は一応、100本です」。リップサービスを含みながらも、とてつもない数字を新たな目標に掲げた。前人未到の道を歩むさまが怪物にはよく似合う。そして最後の夏の甲子園へ-。大舞台が中田を待っている。【田口真一郎】

[2007年7月2日10時21分 紙面から]


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