| 岩手大会優勝:花巻東(2年ぶり4度目) | |||
|---|---|---|---|
| 参加校 | 組み合わせ表 | 春季大会優勝校 | 昨夏代表 |
| 82校(前年比-2) | ダウンロード(48KB) | 一関一 | 専大北上 |
7月24日付紙面
花巻東逆転サヨナラ、4度目V
花巻東・埜崎(右)がガッツポーズでサヨナラのホームを踏む(撮影・清水智彦)
| 花巻東Vへの足跡 | ||
|---|---|---|
| 2回戦 | 13-3 | 大船渡工 |
| 3回戦 | 6-5 | 一関一 |
| 4回戦 | 4-0 | 不来方 |
| 準々決勝 | 9-0 | 盛岡市立 |
| 準決勝 | 9-1 | 盛岡大付 |
| 決勝 | 4-3 | 専大北上 |
<岩手大会:花巻東4-3専大北上> ◇7月23日◇岩手市
花巻東が劇的な9回逆転サヨナラで専大北上に4-3で勝ち、2年ぶり4度目の優勝を飾った。同点に追い付いた9回1死一、三塁、4番で主将の関口翔右翼手(3年)が左越えの決勝打を放った。14安打で2度逆転する粘りを発揮した。日本学生野球憲章13条に抵触する特待生問題などでノーシードから勝ち上がった両校の決勝は、花巻東が頂点に立った。
花巻東の佐々木洋監督(31)は、予感していた。「6回か7回ぐらいにベンチで言ったんですよ。4-3でサヨナラ勝ちするって」。8回に2-3と逆転されたことが、劇的フィナーレの序章。監督の自信が伝わったかのように、選手たちは勝利を信じてプレーを続けた。9回裏、先頭の代打巻田遼(3年)が左前打で出塁。野選と犠打で1死二、三塁とし、3番中村有哉(2年)が同点左前打。続く4番関口も左越えのサヨナラ打を放ち、監督の予言通りの4-3サヨナラ勝ちを実現した。
サヨナラのホームを踏んだ埜崎隆浩(3年)の周りに、歓喜の輪ができた。うれし涙があふれた。観客席のクラスメート、教職員、父母会も絶叫し泣いた。岩手県球史に残る劇的な幕切れに酔いしれた。佐々木監督は「宣言通りになって良かった。練習試合から逆転サヨナラが多かったので、やってくれると思っていた」と笑顔を見せた。閉会式後、マウンド上で胴上げされ、3度宙に舞った。
就任7年目の若き監督は、サヨナラの場面でも冷静だった。4番で主将の関口の打席で1球目ファウルの後、伝令を出した。「力むな、リラックスして打て」。関口は直後の外角直球を左翼へ流した。「伝令が来て、冷静になれました。みんなの思いを乗せて打つことができました」。佐々木監督も「日本一のキャプテンです。感動した」と、うなるしかなかった。
05年夏の甲子園に2年生主体のチームで出場。その2年生が3年生になった昨年、県大会連覇を期待されながら、ベスト16で敗れた。「甲子園に行ったので、油断とか緩みというものがあったかもしれません」と佐々木監督。昨秋からの新チームは、危機感を与えることから始めた。「戦力はガタ落ち。お前ら下手くそ、下手くそって言い続けました」。守り勝つチームを復活させるために、守備練習を徹底した。
今年5月には憲章違反の野球特待生が、対外試合に出場できない苦境も味わった。春季県大会はベストメンバーを組めず、2回戦で敗退。今夏はノーシードから勝ち続け、3回戦では今春東北王者の第1シード、一関一に6-5で辛勝した。佐々木監督は「甲子園でも最少失点の野球をしたい。レベルが高い岩手の野球を見せますよ」と語った。前身の花巻商以来、43年ぶりの甲子園1勝を目指す。【柴田寛人】



