| 大阪大会優勝 : 大阪桐蔭(2年連続4度目) | |
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■参加校 : 188校(-3) ※()内の数字は前年比 組み合わせ(PDF) |
■春季大会優勝 : 履正社 ■昨夏代表 : 大阪桐蔭 |
大阪桐蔭中田、怪物が泣いた
<大阪大会:大阪桐蔭4-3金光大阪>◇7月31日◇舞洲

| 大阪桐蔭Vへの足跡 | ||
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| 1回戦 | 21-0 | 淀商 |
| 2回戦 | 13-0 | 柴島 |
| 3回戦 | 10-1 | 阿武野 |
| 4回戦 | 3-2 | 履正社 |
| 5回戦 | 8-1 | 箕面学園 |
| 準々決勝 | 9-1 | 関西創価 |
| 準決勝 | 3-1 | 東大阪大柏原 |
| 決勝 | 4-3 | 金光大阪 |
怪物が泣いた。大阪大会の決勝で、大阪桐蔭の中田翔外野手(2年)が延長12回に左前打で出塁し、決勝のホームを踏んだ。本塁打の重圧から解放され、優勝決定の直前に、右翼の守備位置で涙を流した。2年連続の甲子園出場では、昨夏の4強超えを誓った。
怪物は17歳の少年に戻っていた。スコアボードに「1」をともらせ、歓喜の瞬間はすぐそこにあった。それでも中田は待てない。12回裏、右翼の位置で何かがこみ上げてきた。「なぜだか分からない」。視線の先がかすむ。右手で何度もぬぐった。最後の打者が二塁へフライを打ち上げる。「一番早くに(エースの)松原さんのところに行きたかった」。今年の夏も甲子園に行ける。真っ赤な顔でマウンドに走った。
描いた5本のアーチよりも、たった1本のヒットがうれしかった。先頭打者で迎えた12回表の攻撃。低めのスライダーに食らいつき、三遊間を破った。「とにかくチームのためになりたかった」。開幕から4戦連続5本塁打を放ち、ひと振りに注目が集まった。「ホームランは狙わず、右方向を意識する」。そんな言葉を繰り返したが、内心では重圧がのしかかっていた。相手投手の攻めも厳しくなる。打撃が次第に崩れた。5回戦から1発はおろかクリーンヒットも減った。
「何が悪いんかな」。決戦前夜に寮の一室で中田は独り言をつぶやいた。同部屋の丸山貴司(2年)岡田雅利(2年)は、そんな姿をこれまで1度も見たことがなかった。「打とう、打とうと思わんでも、お前やったら打てるよ」。同級生の励ましの声。午後11時に布団に潜り込んだが、日付が変わっても中田は寝付けなかった。
この日も初回から2打席連続で三振し、7回にはスリーバント失敗。「相手のミスでもいいから、塁に出たい」。12回の打席はとにかく無心でバットを振った。7打席ぶりの快音。そして犠打と遊ゴロで三塁に進むと、打席に7番丸山が入った。目が合うと、互いに右手で胸を2度たたいた。チームの中で広がった「気持ちはひとつ」のサイン。右前に打球は転がり、中田は決勝のホームを踏んだ。
先発の松原靖幸(3年)が12回を1人で投げぬき、6回の2得点は下位打線でもぎ取った。投打で試合を決めてきた怪物スラッガーが全員野球の強さを知った。閉会式でも涙が止まらなかった。「甲子園でまた戦える。去年のベスト4は意地でも塗り替えたい」。苦悩のときを乗り越え、中田が1年ぶりに聖地に帰る。【田口真一郎】

