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2006年甲子園特集

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駒苫田中V3へ執念165球/夏の甲子園

6回裏のピンチを切り抜けガッツポーズの駒大苫小牧・田中
6回裏のピンチを切り抜けガッツポーズの駒大苫小牧・田中

<全国高校野球選手権:駒大苫小牧1-1早実>◇20日◇決勝
 駒大苫小牧・田中も、1歩も引かなかった。3回途中から救援登板し、こちらも8回の1失点のみ。12回2/3を7安打10奪三振の力投で、15回まで165球を投げ抜いた。14回1死二塁などのサヨナラ負けのピンチを気迫で切り抜け、73年ぶり、史上2校目の3連覇へ望みをつないだ。
 1-1の延長15回裏2死一塁。田中が早実の4番後藤に「ガチンコ勝負」を挑んだ。1ボールから126キロスライダーで遊飛に仕留めた。一瞬の静寂、そして地鳴りのようにわき起こる拍手と大歓声の中、右手で帽子を取り、ゆっくりとマウンドを下りた。「15回までいくんじゃないかな、と思ってました。とりあえずひと区切りつけ、ほっとしてます」。取材を終えると、球場通路のベンチにどっかりと腰を下ろした。
 満を持しての救援登板だった。0-0の3回1死一、二塁。ダッグアウト前から全力疾走でマウンドに向かった。先発の菊地の肩をぽんとたたき、ねぎらった。後続を2者連続三振に切って取り、昨夏優勝投手の貫録を示した。「力でいったれ、という気持ちはあるけど、集中を切らさず、辛抱強く、粘り強く、ていねいにいくことだけ考えました」。最速144キロの直球と高速スライダーで厳しいコースをつき、早実打線に的を絞らせなかった。
 相手エース斎藤と、一歩も引かない投手戦を繰り広げた。「マウンドに上がったら絶対に先に下りたくない」。最大のピンチは1-1で迎えた延長13回裏。2死二塁から暴投で走者の三進を許した。捕手小林の判断で「満塁策」を選択。2者連続敬遠で塁を埋め「気持ちだけは切らさず(次打者で)勝負しよう、と。ちょっときつかったけど、思い切って腕を振りました」。今大会2本塁打の船橋を直球で遊ゴロに打ち取り、弾むようにマウンドを駆け下りた。
 勝てなかった。しかし、負けなかった。いや、負けるわけにはいかなかった。センバツ出場辞退の悔しさを胸に秘め、決勝までたどり着いた。延長13回表2死二塁では三ゴロに倒れたが「公式戦で初めてです」という、一塁へのヘッドスライディングでチームメートを鼓舞した。165球熱投に香田誉士史監督(35)は「いい粘り腰でした。精神的にもってくれました」とたたえた。
 今日21日の再試合で、73年ぶりの3連覇に再チャレンジする。夏の甲子園初先発となった昨夏3回戦(対日本航空=山梨)のときのことを「マウンドに上がったら足が震えました」と振り返る。あれから1年…。スタンドで見守った母和美さん(42)は「自分の子があんなとこに立ってるなんて、信じられませんでした。また連れてきてくれて…。ほんまよう頑張ってくれてます」と目を赤くした。田中は「決勝でこんな試合できるなんて、めったにありません。勝ちたい。その気持ちだけでどんどん向かっていきます」と意気込んだ。【白船誠日】



 

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