駒苫が全員で3度目の逆転劇/夏の甲子園

- 王手をかけた田中(左から2人目)ら駒苫ナイン(撮影・上田博志)
<全国高校野球選手権:駒大苫小牧7-4智弁和歌山>◇19日◇準決勝
南北海道代表の駒大苫小牧が7-4の逆転で智弁和歌山(和歌山)を下し、33年中京商以来73年ぶり、史上2校目となる夏の甲子園3連覇に王手をかけた。打線全員主演の逆転劇が、また繰り返された。幕開けは1点を追う1回裏だ。2死三塁。4番本間篤史主将(3年)が放った打球が右翼線を襲う。右翼手が横っ跳びで捕ったはずの白球は、グラブの先からこぼれてライン際を転がった。「今までチャンスをつぶしてきた。今日は打たなければいけなかった」。本間篤の執念が次々と伝わり、逆転の4点に結び付いた。
ラッキーボーイ三谷忠央三塁手(3年)が開演の合図を送った。「おれが塁に出て、流れをつくってやるよ」。打席に向かう直前、2/3回で降板した甲子園初先発の菊地翔太(2年)に宣言した。後輩に敗戦の責任は負わせられない-。その思いは口火を切る中前打を生んだ。菊地は「あの1打でホッとした」と頼もしい先輩に感謝した。
「みんなで力を合わせて1試合1試合戦ってきている」。主将として本間篤はプライドをのぞかせる。世代最強投手と呼ばれるエース田中将大(3年)に注目が集まる中で、打線も結果を残してきた。今大会は3試合で2ケタ安打、室蘭地区から11試合で打率も3割3分4厘。三谷は「ラッキーボーイと呼ばれたくない。こいつはスゴイと言われたい」と意地を見せる。ナインは「全員主役」の心意気で勝ち上がってきた。
決勝の相手、早実の斎藤に対しても苦手意識はない。昨年の明治神宮大会で5-3で逆転勝ち。11安打を放ち、本間篤は弾丸ライナーの120メートル弾もたたき込んだ。「佑ちゃんフィーバー」を巻き起こしている強敵右腕を再び打ち崩せば、73年ぶり2校目の夏3連覇が手に入る。
決勝へ向けて本間篤は「3連覇は意識していない。チャレンジャー精神でやるだけ」と、いつも通り繰り返した。だが一瞬、その目は笑った。逆転劇を演じてきた全キャストが望む最高のハッピーエンドへ。ついに歴史に残る舞台に立つ。【北尾洋徳】
○猛打の駒苫アラカルト
◆史上最高打率 04年の甲子園チーム打率4割4分8厘(5試合174打数78安打)は01年日大三の4割2分7厘(6試合211打数90安打)を抜く大会新。
◆決勝史上最多安打 04年の決勝・済美戦で記録した20安打は、00年智弁和歌山に並び最多タイ。
◆サイクル安打 04年準々決勝・横浜戦で7番打者の林裕也二塁手が大会史上5人目のサイクル安打を達成。超高校級の涌井(現西武)を崩す原動力に。
◆日替わりヒーロー 05年は脇役が日替わりで頑張った。2番辻寛人遊撃手が2戦目まで6打数6安打の10割。準々決勝・鳴門工戦は5点を追う7回、6番岡山翔太一塁手の二塁打が口火、打者一巡後の中犠飛で逆転した。準決勝・大阪桐蔭戦では背番号15の7番鷲谷が辻内(現巨人)攻略の先制点をたたき出した。
◆集中打 今年は好機に安打が続く。南陽工戦では3回に3安打で2点、青森山田戦では8回3安打で3点、9回3安打で2点、東洋大姫路戦では6回に4連打で4点、智弁和歌山戦では初回に4安打で4点を奪った。
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