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2006年甲子園特集

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早実4強、アイドル佑ちゃん/夏の甲子園

ハンドタオルで顔の汗をぬぐう早実のエース斎藤(撮影・藤尾明華)
ハンドタオルで顔の汗をぬぐう早実のエース斎藤(撮影・藤尾明華)

<全国高校野球選手権:早実5-2日大山形>◇18日◇準々決勝
 古豪・早実(西東京)が準々決勝で日大山形を逆転で下し、26年ぶりのベスト4に進出した。エース斎藤佑樹(3年)が、6回に逆転を許すも、粘り強い投球で耐え、打線が8回に5安打を集中し再逆転した。斎藤は5安打10奪三振の2失点完投で、今春センバツとの甲子園年間勝利数は6勝目。年間5勝で早実史上最高だった王貞治(66=現ソフトバンク監督)と荒木大輔(42=現西武投手コーチ)を超えた。今日19日の準決勝は初出場4強の鹿児島工。その先の決勝まで3連投となるが、久々の甲子園アイドルとなった佑ちゃんは投げ抜く覚悟だ。
 斎藤の148キロ直球に、甲子園がどよめいた。1-2の8回1死走者なし、5番・舟生への126球目だった。自己最速へあと1キロ。終盤でこの日の最速を出した斎藤は「相手に流れが行きかけたので、8回は気合を入れました」と振り返る。その裏、2番小柳竜巳(3年)の遊撃強襲安打など味方打線が5安打を集中。4得点を挙げ、一気に逆転すると、9回は140キロ超を連投。「自分は直球がどれだけ決まるかがポイント」と、直球勝負で試合を締めた。
 我慢の投球だった。3回戦の福井商戦から中1日のマウンドで「体が重かった」という序盤。自慢の直球が走らない。それでもスライダーを振らせ、今大会2度目の2ケタ10三振をマークした。6回に2点を失い、今大会初めて逆転を許したが、崩れないのがエースの証し。「最少失点に抑えれば」と、我慢の投球で逆転劇を引き寄せた。
 接戦には強い。西東京大会6戦中3試合を接戦でものにした。日大三との決勝も3時間48分の延長11回を221球で投げきった。斎藤自身も「その強みがある」と語る。群馬・生品中3年時は“監督代行”としてチームを引っ張った経験を持つ。顧問の先生はいたが、主将だった斎藤が指揮を執り、「エース」「主軸」「監督代行」として、接戦の戦い方をも身に付けた。
 斎藤は、今春センバツの2勝と合わせ甲子園通算6勝目。早実の大先輩、ソフトバンク王監督、西武荒木コーチの年間通算5勝を超えた。「王さん、荒木さんと比較されて誇りに思う」と、少し照れたように話した。年間6勝は、チームとしても春夏45回の甲子園出場を誇る早実史上初。だが勝ち星だけでは満足しない。80年に、荒木が達成した早実の選手権史上最高成績の準優勝を超えるつもりだ。「荒木先輩を超えるため、次はどんな戦いになっても勝ちたい」と、端正なマスクを引き締めた。
 今日19日の準決勝は、初出場4強で波に乗る鹿児島工。決勝まで見据えると「3連投」が、斎藤を待ち受ける。今春センバツでは、2回戦の関西(岡山)戦で先発15回231球を投げ引き分け再試合。翌日の再戦では救援で7回103球を投げ勝利した。そして、3連投で先発した横浜戦は6回6失点で敗れたが、3日間で計445球を投げた。今夏、1回戦(鶴崎工)で8回に1度交代し、再登板したが、準々決勝まで実質上4試合連続完投。その球数はすでに539球。斎藤は「もう1度、3連投してスタミナの進化を見せつけたい」と言った。
 センバツ後、グラウンド裏の起伏が激しいコースを走り込み、さらなるスタミナを養った。早実で野球をやりたくて群馬から進学した。1年の時「文武両道」の厳しさから母に電話したこともあった。それから2年。タフネス右腕に成長した斎藤が連投、そして悲願の夏初制覇へ挑む。【古川真弥】



 

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