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2006年甲子園特集

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6点差逆転駒苫、8強だ/夏の甲子園

9回裏2死一塁、サヨナラで8強進出を決めて大喜びする駒大苫小牧ナイン
9回裏2死一塁、サヨナラで8強進出を決めて大喜びする駒大苫小牧ナイン

<全国高校野球選手権:駒大苫小牧10-9青森山田>◇15日◇3回戦
 「北の怪物」田中が救援で登板、駒苫ミラクル大逆転8強だ! 駒大苫小牧(南北海道)が青森山田(青森)に、10-9の逆転サヨナラ勝ち。1点ビハインドの9回裏、1発で追いつき、2死一塁から三谷忠央内野手(3年)が決勝二塁打を放った。3回途中から救援のエース田中将大投手(3年)は6回2/3、6安打5奪三振の粘投で高校通算30勝をマークした。横浜高時代の松坂(西武)の47試合目を3試合上回る44試合目で到達。夏3連覇に向け、また1歩前進した。帝京(東東京)が4年ぶり、東洋大姫路(兵庫)は20年ぶりに初出場の鹿児島工(鹿児島)と、ともに8強に進んだ。
 王者の底力だった。銀傘にこだまする歓喜の雄たけびが、3万9000人の大歓声にかき消された。土壇場の9回裏2死一塁。6番三谷が118キロのスライダーを左中間にはじき返した。「抜けろ、抜けてくれっ!」。祈るように走った。白球がぐんぐんと加速した。勝った。一塁から生還した田中が天高く両こぶしを突き上げた。
 勝利の女神を味方に付けた。甲子園で駒苫初の逆転サヨナラ勝ちだ。三谷は「打った瞬間、神がきました。奇跡が起こった、と思いました」。打席に入る度、胸のお守りをギュッと握り締めた。南北海道大会前に「邪気を払ってくれるからね」と母恵子さんに手渡されたもの。「ずっと祈ってました。やっと実りました」。愛情のこもった縁起物が決勝打を呼び込んだ。
 9回裏が始まる時、円陣の中心に背番号1の田中がいた。「これで終わりじゃない。みんなでつなぎ、1点取るぞ! もう1点取ってサヨナラ勝ちしようぜ!」と鼓舞した。
 田中は初戦から中4日で「抑え」に回った。甲子園初登板初先発の左腕岡田が2回途中、4失点で降板。同じく甲子園初登板の2年生右腕菊地が3回に追加点を許した。香田監督は「昨年はリリーフからよくなりました。あの気持ちをよみがえらせたい」と田中のリリーフ狙いを明かした。
 田中は「一昨年の決勝を見習って、打たれても、打たれても、何くそってバッターに向かっていきました」と力を込めた。
 大阪入り後に体調を崩した。完全に回復しないまま初戦に臨み、不本意な投球に終わった。その後、2台のテレビを並べ、昨夏と南陽工戦の投球フォームを比較しながら復調のきっかけをつかんだ。この日、高校通算30勝をマークした。
 駒大苫小牧は球場入りの際、車中で甲子園連覇の軌跡を編集したDVDを観賞する。壮絶な打ち合いを演じた04年決勝の済美戦、5点差をひっくり返した05年準々決勝鳴門工戦、好投手辻内を打ち崩した同年準決勝大阪桐蔭戦…。そうして試合に臨む。
 香田監督は「選手の力にただびっくりです。全員が一体になってくれました。紙一重だったけど、結び付きは強くなったと思います」と話した。今後への手応えをつかむ大きな1勝となった。【白船誠日】



 

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