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2006年甲子園特集

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仙台育英・佐藤2日24回完投!

優勝を決めた仙台育英・佐藤(中央)は涙を流しながらナインと抱き合って喜ぶ
優勝を決めた仙台育英・佐藤(中央)は涙を流しながらナインと抱き合って喜ぶ

<高校野球宮城大会:仙台育英6-2東北>◇1日◇フルキャスト宮城◇決勝

 引き分け再試合となった宮城大会決勝は、仙台育英がライバル東北を6-2で下し、5年ぶり19度目の夏の甲子園大会出場を決めた。前日に15回226球を投げた2年生エース右腕、佐藤由規が2日連続で先発し、7安打2失点、148球完投。2日で計24回、374球の熱投で優勝に導いた。01年の不祥事による活動自粛から復活Vともなった。これで、49代表がすべて決定。3日には組み合わせ抽選会が行われ、6日に開幕する。

 9回裏2死。マウンドの佐藤の目は、涙であふれていた。長かった、つらかった、勝ちたかった…。いろいろな思いが頭をよぎり、勝利を目前に自然と涙がほおをつたった。実に2日間で374球目、泣きながら投げたこん身のスライダー。最後の打者を三ゴロに打ち取ると、佐藤は両手を高々と突き上げ、空に向かって言葉にならない叫び声を上げた。

 前日は15回を「完封」して226球、そしてこの日は148球。1人で投げきった。常識では無謀ともいえる連投だが「先発は今朝言われたけど、昨日の試合が終わった瞬間から、自分が投げると思っていた。昨日は準決勝、今日が決勝のつもりでやった」と笑顔で振り返った。今大会は仙台市内の自宅から通っていたが、大好きなすしを封印、生ものを控えて体調を維持してきた。前日の熱投後は、家族にうなぎをリクエストしてスタミナをつけた。

 準決勝まで5試合51得点の東北打線を、2日間で計9安打2失点に抑え、22三振を奪った。この日の最速は142キロだったが、切れ味鋭いスライダーを駆使。2年生とは思えない投球術で相手を沈黙させた。仙台東リーグ出身で、02年リトルリーグ世界選手権で準優勝。ロシア戦ではノーヒットノーランを達成するなど、2年生ながら経験も豊富だ。再試合も「大好きな先輩たちと1日でも長く一緒に野球をやれる」と歓迎していた。

 苦難を乗り越え、2強と呼ばれたライバルを倒しての甲子園切符だ。01年には秋季東北大会で優勝しながら、暴行事件やJR不正乗車と部員の相次ぐ不祥事で翌春のセンバツ推薦を辞退し、活動自粛に追い込まれた。そのため02年は新入部員0。03年は推薦入学を自粛した。本格的に活動を再開したのが、現在の3年生が入学した04年だった。03年から復帰した佐々木順一朗監督(46)は「あまりこういう時に泣いたことがないけど、泣いてしまった」と、感激を隠せなかった。

 全国の大トリでつかんだ夢の舞台。「大阪桐蔭とやってみたい。中田選手は化け物、真っすぐで勝負してみたいです」。タフな2年生エースは疲れも見せず、早くも甲子園への抱負を語った。疲れることを知らない「仙台の怪物」が、新生・仙台育英旋風を巻き起こすべく、聖地へ乗り込む。【栗山尚久】



 

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